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30代前半の転職ってどうなの?成功のポイントを解説

2023/06/01

社会人として10年以上のキャリアを積み、結婚や妊娠・出産・育児などの生活環境が大きく変わっていくのが30代といえます。

また、職場でも家庭でも重責を担う立場となるこの時期だからこそ、現在の働き方や人間関係、将来への不安などから転職を検討する人が増えるのではないでしょうか。

この記事では30代、特に30代前半の転職はどうなのか、転職成功のポイントなどについて解説していきます。

30代でも転職はできる?

大きな人生のターニングポイントを迎え、転職のラストチャンスが30代です。

30代からの転職は十分に可能

30代は社会人として蓄えてきた知識と経験を効果的に活用して、即戦力として活躍できる世代です。企業では30代の中途採用に熱心に取り組むようになっています。

即戦力としてのスキルや経験は、幅広い能力と将来性のある30代に求められているものです。30代の採用は高水準を維持しており、ニーズの高さを示しています。

求人数は年々増加傾向に

現在では30代の中途採用が活発に行われ、30代の求人は増え続けています。厚生労働省発表の「新規求人倍率」は、ここ10年で3倍以上になっており、転職のチャンスが広がっています。

30代後半ならではの強みを活かせる

30代後半の転職は30代前半より厳しいですが、同程度のスキルであれば年齢の若いほうを採用するのは当然のことです。

しかし、30代後半にしかない強みを有効に活かすこともできます。スキルや経験の中で、自分にしかない特徴をアピールすべきです。

30代からの転職は未経験だと厳しい?

30代からの未経験の業種・職種への転職は厳しいですが、離職経験者の大半が業種・職種を変えていると言われており、無条件に諦めることはありません。

ただし、未経験業種への転職は、ポータブルスキルが必要です。ポータブルスキルとは、業種・職種に無関係に活かせる能力のことです。自分のポータブルスキルを十分に発揮して、未経験業種へのチャレンジはおすすめです。

30代の転職は楽しい!得られる3つのメリット

ここまでの内容で転職を前向きに検討する人もいるでしょう。ここからは転職のメリットを紹介します。

これまでの経験やスキルを活用できる

30代ともなるとたくさんの経験を積んできて、的確な仕事の遂行が求められます。企業としては、専門的知識だけではなく、組織を円滑に運営する補助的な役割を求めることになります。これらに対して、経験やスキルを活用できれば将来に向けて大きくキャリアアップできることになります。

前職より収入がアップすることも

会社のニーズと転職者のスキルがうまくマッチすれば、組織の業績が上がったり、円滑な組織運営が可能になったりします。

転職後の職場環境やニーズとのマッチングの程度にもよりますが、現在の会社で昇格や収入アップが望めない場合は転職が大きなチャンスとなることでしょう。

チームリーダーや幹部としてのニーズがある

即戦力性、マネジメント能力が十分に発揮されれば、プロジェクトリーダーや幹部候補生としての期待が一層高まります。

20代の転職は業務を効率的に進めることを求められ、マネジメント能力はさほど期待されませんが、30代はこの点でも大きく異なります。

30代転職でのデメリット3つ

メリットがある一方で転職することのデメリットもあります。十分にその内容を把握し、あらかじめリスクへの対策を講じておく必要があります。

未経験の職種だと収入が下がる可能性がある

30代の転職は即戦力としてのニーズが高いため、未経験職種への転職は20代に比べると厳しい状況になります。

即戦力としての活躍を期待されているため、ゼロからのキャリアアップは難しく、未経験の業務だとスキルを発揮できなくなり、その分収入も下がってしまう可能性があります。

年齢によっては就職選考に時間を要する

転職活動に必要な期間は、一般的には3か月~半年程度と言われています。しかし、30代になると選考基準が高くなるため、時間が必要となります。企業側は即戦力性とマネジメント能力を判断し、しかも将来の管理職候補を選考することになるため慎重な選考を行うことになります。

女性の場合は転職に不利な理由が増える

女性の場合、結婚、出産、育児などを理由とした長期休暇や退職の可能性があるため、30代女性の採用を敬遠したり慎重になる企業もありますが、転職をすぐに諦める必要はありません。

最近では、出産や子育て支援に積極的な企業も増えているため、産休や育休制度が整っていて、女性の働きやすい職場づくりに熱心な企業を選ぶと良いでしょう。

30代の転職を成功させるコツとは?

場合によっては長期戦になることも想定して、計画的に転職活動を進めてください。

なぜ転職したいのかをはっきりさせる

転職理由が曖昧なまま活動を進めても失敗する可能性が高くなります。転職の理由を明確にしましょう。

また、転職しなくとも現在の会社で悩みを解決できることがあります。本当に転職しか解決することができないのか、自分に再度問いかけてみてください。

自己分析で自分の長所を明確に

自分のスキル・経験と転職先のニーズがマッチしているかどうかが重要なポイントです。そのため、自己分析を徹底的に行い、長所を明確にしておきます。そして、的確にアピールできるよう自分の言葉で整理しておきましょう。

就職先への妥協点を考える

自己分析で自分の強みを明確にできたら、転職での妥協点を見つけてください。希望に優先順位をつけて最低限実現させられる転職先を選ぶようにしましょう。

「これだけは譲れないこと」と「実現できなくてもいいこと」をあらかじめ決めて整理しておくと、転職活動を進めやすくなります。

年収ばかり重視しない

30代の転職では年収がアップする場合とダウンする場合があります。あまり年収にこだわり過ぎると、他の高待遇を見逃してしまうことにもなりかねません。

転職する会社を選ぶ際には、単に収入面だけではなく、働く環境なども総合的に判断するよう心がけてください。

プライドを高くしすぎないことも成功のコツ

これまでの経験や実績からプライドが高くなっている人もいます。過度に高すぎるプライドは傲慢さに繋がります。

謙虚な気持ちで面接に臨まないと面接者に悪い印象を与え、それだけで不合格になる可能性もあります。新しい職場環境で忘れてはならないことは謙虚さや協調性です。

過剰なやる気アピールは避ける

年齢や性別に関係なく、やる気や熱意は当然のことですから、あまり過度なアピールはかえって逆効果になる可能性があります。

会社側は年齢相応のスキルや経験を求めているのですから、やる気などにこだわると、スキルや経験を持っていないと見抜かれてしまいます。「どのような経験・スキルを持っているか」、「どのように会社に貢献できるか」を自分の言葉で明確に伝えてください。

転職するなら退職のタイミングもよく考えておく

転職と退職のタイミングもよく検討することが転職成功のコツのひとつです。退職を先にしてしまうと、経済的な不安や離職後の空白期間が発生します。この空白期間が長くなると、採用に不利になる場合があります。

転職活動は、働きながら進める方法がおすすめです。収入がなくなる期間があると転職活動に必要な費用が賄えなくなります。また、家庭がある場合は、家族の生活費や光熱費などに大きな影響を及ぼします。

30代で転職するならキャリアコーチングサービスを活用

仕事を続けながら転職活動を継続していくことは、精神的にも肉体的にも大きなストレスとなります。

そこで、転職活動などのキャリアに関するさまざまな悩みを解決するサービスとして、「キャリアコーチング」が最近注目されています。キャリアコーチングはフラットな目線でキャリアに関する悩みを相談できますので、悩みがある人は有効に活用することをおすすめします。

まとめ

30代前半に限らず、転職に不安を持っている人も多いことでしょう。転職理由を明確にし、さまざまな転職サービスを有効に活用すれば、転職活動を成功させることが可能です。

ぜひ、この記事で解説したことを参考に、転職活動を成功させてください。

当記事の監修者
当記事の監修者

宗像 祐 (むなかた ゆう)

大学卒業後、不動産営業、IT営業を経験した後に株式会社エス・エム・エスに入社。キャリアアドバイザー、法人営業、マネジメントなど一通りの業務を経験し、その後キャリア女性特化型エージェント、大手医療グループの人事、スタートアップ企業のCOO等を経て株式会社ルメスを設立。10年以上の人材業界経験を通して、約3,000名のキャリア相談や採用に携わる。国家資格キャリアコンサルタント。

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