キャリアコーチング

コーチングを使って転職をする理由とは?

2023/06/15

HSP(Highly Sensitive Person)とは、生まれつき「非常に感受性が強く、敏感な気質を持った人」という意味です。HSPは環境や性格など後天的なものではなく、先天的な気質、生まれながらに持った性質であることがわかっています。

日本でも近年、HSPの概念が広まってきており、メディアで取り上げられて知名度が上がった点もあるのですが、よく耳にするようになりました。コロナ禍による社会不安でこの「敏感さ」に気付いた人もいるかもしれません。

HSPはその敏感さゆえに、多くの問題を抱えて、ひとりで悩み苦しみがちです。この繊細さを克服すべき課題と捉えるのはなく、自分の気質を肯定し活かすことで元気に生きていくために、HSP専門のコーチングが生まれました。

この記事では、HSPのコーチングの内容、コーチングを使って転職する理由やコーチングを依頼する際のポイントなどについて解説していきます。

HSPの方に必要なコーチングとは?

では、HSPの方が求めるコーチングとはどのようなものでしょうか。一言でいえば、繊細さに振り回されて見失った自分を発見し、自分らしく生きるスキルを身に付けることです。

HSPの方が心の奥底で考える思考を引き出す

HSPは病気や障害とは異なるものです。生まれながらに持つ「気質」とはいえ、簡単に「神経質だね」という言葉で片付けられるものではありません。一般には見逃しやすい些細な刺激や情報にも敏感に反応し、気が休まらず疲れ切ってしまうのです。

感性が豊かな半面、誰よりも繊細で、神経が磨り減る思いを抱えており、家族や信頼できる友人にもなかなかわかってもらえず、孤独の殻に閉じこもってしまいます。

そんなHSPの方が心の奥底で考える思考をセミナー、支援講座、カウンセリングで引き出し、悩みや苦しみからの開放を実現します。HSPの対策は一言でいえば、この敏感さの整え方と使いこなし方に尽きます。

周囲の目を気にせず過ごせるようサポート

HSPの方は他人にどう思われているかが最大の関心ごとになっています。「嫌われていないか」「機嫌はいいだろうか」など他人のことばかりが気になってしまいます。自分ではコントロールできない他人の感情をどうにかしたいと考えてしまうからです。

周囲の人間や出来事に対して敏感に反応し、大きく影響を受けやすい特徴があります。相手に気を使い過ぎて疲れ切ったり、相手の悪意に強い心理的ダメージを受けやすい弱点があります。

こういった特性に対する答えは人それぞれで、単純ではありません。周囲の目ばかり気にして、自分自身をうまく出せない、そんな問題や悩みから解放できるように心に寄り添うサポートが行われます。

強い不安を感じる生き方を変える

HSPは生まれながらの不安障害(不安神経症)ともいわれます。HSPではない人と比べて、刺激に強く反応し、不安や恐怖を感じやすくなっています。些細なことでも深く考え過ぎてしまい、他人の気分に振り回され対人関係に疲れてしまいます。

また、新たなことを始めようとしても、不安感ばかりが先立ち、最初の一歩が踏み出せず、そんな自分に失望し存在感を否定するほど深く考え込んでしまいます。

このように自分よりも周囲の他人のことが必要以上に気になり、自分の存在が不安になり、その不安感に悩んでしまうのです。そのために考えすぎないように練習したり、刺激を減らし、対人関係の距離を置くなどの対策が効果的です。

HSPの方へのコーチング内容は?

では、HSPの方へのコーチング内容は具体的にはどのようになっているのでしょうか。

専門カウンセリング

専門カウンセリングは、家庭環境などを考慮して、個別に問題や悩みにアプローチしていきます。心の奥底にある本当の想いを掘り起こしていきます。コーチはHSPの本音が出てくるまで、質問を繰り返します。

繊細なのも考えすぎるのも長所と捉え、HSPが将来のありたい姿を探り、自分自身を知ることで自己肯定感を高めます。「本当にやりたいこと」はわかっているので、それを言語化し、行動につなげられるようサポートをしていきます。

たとえば、転職に関してやりたいことがあるけれど、何から手を付けたらいいかわからない、勇気が出せなくて迷っているなどの悩みに、具体的な対策の方向性を一緒に考えていきます。自分を大切にする行動ができるように導いていきます。

支援講座

HSPの普及・広報活動とともに、HSPで悩み苦しんでいる人たちの共感の場を作るため、最終的にはHSPの方の経済的・精神的自立を目指して、支援講座が開催されています。この講座はこれまで、埼玉県や東京都で実施されてきましたが、今後活動の場を広げ、全国展開を目指しています。

そのほか、東京が中心になりますが、各種の支援講座や勉強会などが開催されています。ひとりで問題を抱え込み、悩み続けている人は、内容をチェックのうえ、行動を起こすという意味で参加してみてはいかがでしょうか。

HSPの方がコーチングを依頼するときに見ておきたいポイント4つ

コーチングを依頼するときに、どんなコーチを選ぶか迷ってしまいます。たくさんいるコーチの中から自分に合ったコーチを選ぶポイントを紹介します。

得意とするジャンルを確認

コーチングは人生におけるありたい姿を達成するためのサポートですが、コーチングにはさまざまな種類があり、希望するジャンルでコーチを選ぶ必要があります。コーチングの利用目的を明確にしてから、自分に合ったコーチを選ぶことが大切です。

コーチにも得意、不得意なジャンルがありますから、自分の目的にマッチしたジャンルが得意であるコーチを探すことがコーチ選びの基本となります。

コーチの資格や実績を確認する

インターネットなどで数人の候補が見つかったら、そのコーチのプロフィールを確認し、そのコーチの生き方が共感できるか、何が得意なジャンルなのか、そのジャンルの実績はどうかなど知りたい情報をチェックしていきます。その際、ブログやSNSなどがとても参考になります。

コーチをじっくり調べることで、そのコーチがどんな人物なのかがよくわかってきます。

なるべく多くの情報を収集することがコーチを選ぶ第一歩です。

コーチと相性が合いそうかをチェック

コーチが持つ資格や実績がわかったら、相性が合いそうかどうかの確認です。これはもう感覚でしかありませんが、ブログやSNSなどの記述、電話などによる問い合わせで相性の良さを判断するしかありません。

コーチングの目的の明確化とコーチのプロフィールの情報から、信頼できそうで相性のよさそうなコーチを選ぶようにしてください。

コーチング費用が予算内か

コーチング費用の相場は1時間1~3万円というのが平均的ですが、料金体系がどうなっているのかをチェックしてください。そこが明確に提示されていないコーチは、信頼性が欠けるといっても過言ではありません。コーチングなどの費用に適正価格というものは存在しませんが、自分の予算内かどうかは確実に確認する必要があります。

できれば無料体験に参加して、具体的なコーチングの内容や価格、コーチとの相性をチェックするようにしてください。

まとめ

HSPとはどんなものか、HSPの方に必要なコーチング、コーチングを依頼するときのポイントなどを紹介してきました。

HSPの方は生まれながらの繊細さの気質を持つ人のことですが、誰にも相談できずに悩み続ける必要はありません。HSP専門のコーチングは疲れた心身に寄り添い、時には叱咤激励しながらまだ気づいていない可能性を探ってくれます。HSPの方自信が向かいたい場所を探しながら、人生や仕事の到着点を見つけてくれます。

転職を希望していても具体的な対策に踏み出せず、もやもやした状態が続いているのであれば、コーチングを効果的に活用すれば新たな一歩を踏み出すことができます。HSPとして働くことは、自分らしさを極め、納得のいく人生を送ることです。

当記事の監修者
当記事の監修者

宗像 祐 (むなかた ゆう)

大学卒業後、不動産営業、IT営業を経験した後に株式会社エス・エム・エスに入社。キャリアアドバイザー、法人営業、マネジメントなど一通りの業務を経験し、その後キャリア女性特化型エージェント、大手医療グループの人事、スタートアップ企業のCOO等を経て株式会社ルメスを設立。10年以上の人材業界経験を通して、約3,000名のキャリア相談や採用に携わる。国家資格キャリアコンサルタント。

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