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30歳からの転職は無理?転職成功のためのポイント

2023/07/13

2020年以降、30代の転職者は増加傾向にあります。コロナ禍の影響もあり、多くの企業が転職者に「即戦力」としての能力を求めるようになったことが理由のひとつにあげられます。

一方で、30代の転職は相変わらず厳しいという指摘もあります。企業側の即戦力としての期待感が強まっており、採用のハードルが高くなっているともいえるからです。

しかし、不安になることはありません。厳しい状況を十分に把握し、転職活動を成功に導くにはテクニックとコツがあります。この記事では、30代の転職は無理とあきらめていた人のために、転職成功のためのポイントをくわしく解説します。

20代と比較して30代は転職が難しい?

20代の転職はポテンシャル型といわれています。キャリア不足を熱意でカバーできるからです。30代はスキルや職歴からくる即戦力としての能力を求められるため、転職が難しいと考えられています。

しかしながら、あるアンケート調査の結果では、転職希望者は半数以上が30代の転職は不利と考えていますが、転職経験者は不利だと感じなかったが半数以上となっています。厳しい現実を感じながらも、年齢相応の経験やスキルが前提とされ、採用側の期待にいかに応えるかが重要であるといえるでしょう。

「30代で転職は無理」と感じる理由

採用側のハードルを必要以上に高いと感じる必要はありませんが、厳しい現実を踏まえて、30代の転職は難しいと考えてしまうのです。

年齢によって職種や条件が限られそう

中途採用する会社側からすると、20代であればこれから教育をして、望む人材に育てることができますが、30代ともなると一定以上の経験やスキルを求めるため、年齢による職種や条件が限られることもあります。

業界や業種によっては年齢制限を設けていたり、勤務条件が限られる場合もあるでしょうが、30代はこれまで培ってきた経験やスキルを強みにしてアピールしていくため、多少の制約はあるとしても、それほど悲観する必要はありません。

特別なスキルや職歴が求められそう

30代までキャリアを積んできたビジネスパーソンは、個人差こそあれスキルや経験に自信を持っている人が多いでしょう。しかし、そのスキルや経験が特定の職場でしか通用しないことが想定されます。

同じ職種で転職する場合はそれほど問題にはなりませんが、他の職種に転職を希望する場合は、アピールポイントにならないことを知っておく必要があります。この場合、業種・職種に関係なく活かすことができるポータブルスキルを、自分の強みとしてアピールすべきでしょう。

即戦力になれる自信がない

30代の転職は入社後即戦力になることを前提に採用される傾向があるため、同業種への転職でも不安に感じる人が多いといわれています。自分のスキルがどの程度のレベルなのか自己分析がしづらく、積極的なアピールを躊躇することになります。

同業種への転職でも、その会社に適合するスキルや実績がないと即戦力として評価されないため、難易度が高いと感じてしまいます。さらに未経験の業種への転職となれば、ハードルは高くなるといわざるを得ません。

実際に30代で転職した人のリアルな体験談や成功例

実際に30代の転職に成功した例は数多くあります。同業界・同業種あるいは異業種・同職種への転職が一般的です。

条件や待遇が良い職場へ転職

転職すると給料が下がる、とよくいわれますが、逆に収入アップや待遇が上がったケースも少なくありません。

ある調査では、年収にして平均約56万円、最大にして440万円アップしたというデータもあります。平均給与の低い業種で働いている人は、異業種への転職により年収アップの可能性があることを覚えておいてください。

また、人材系の営業職から同業種の外資系へ転職した事例で、キャリアアップを目指して活動した結果、好条件の会社への転職に成功し、年収が2倍にアップした例もあります。

自分の市場価値を見極めることでスムーズに転職

転職活動に向けて人脈や独学での知識などを準備し、自分のスキルや経験を活かした転職の成功事例です。

・アパレルのプレス担当からベンチャー企業の広報へ転職

子どもを持つ30代後半の女性。大手アパレル企業のプレス担当として勤務した後、結婚と同時に退職。広報の経験・キャリアを活かしたいとの強い希望があり、派遣勤務時代に転職活動をスタートし、ベンチャー企業の広報として転職に成功しました。

未経験業種への転職はかなりハードルが高い

未経験業種の場合は転職してから新たな知識を獲得していく必要があり、現場での経験と覚えることの多さで精神的にも肉体的にも厳しいのが現実です。次に紹介する成功例はそんな高いハードルを乗り越えた参考とすべきものです。

・ベンチャー企業のパート勤務から大手IT企業の正社員へ転職

子どもを持つ30代前半の女性。結婚・出産を機に退職し、ベンチャー企業でパート勤務を始めます。この2年間での営業実績と独学で身につけたインターネット知識を活用し、大手IT企業の正社員として転職に成功しました。

転職を成功させるために重視すべきポイント3選

ここでは上手に転職をするための極意を3つ選んで紹介いたします。

自分の市場価値を客観的に評価する

30代で初めて転職を考える場合は、これまでのスキルや経験は何に活かせるのか、どの業種に向いているのかを客観的に評価する必要があります。そして、キャリアの市場価値を高めるために、いかに専門性を身につけるかを検討するチャンスです。

たとえば、直前3年間は営業職に就いていた場合、経験者として転職し、営業職のスペシャリストとして専門性を極めれば、10年後には高待遇の転職の可能性が広がります。

重視したい条件の優先順位をつける

30代の転職で注意を喚起したいことは、転職後に年収やポジションが下がるケースが多いということです。転職すれば前職での評価はリセットされ、条件が悪くなるのが一般的です。ただし、モチベーションを下げずに実績を積み上げていけば、前職よりさらに高い年収を目指すことは可能です。

転職活動では、待遇面を重視するのか、仕事の内容にこだわるのか、キャリアアップを目指すのかなど自分なりの優先順位をつけて転職先を選ぶ必要があります。

悩みや不安はプロへ相談する

転職活動では悩みや不安は避けられないものですが、そんなとき強力なサポートをしてくれるのが転職エージェントです。求職者の就職支援、面接対策などを効率的に進めることができます。基本的には無料のサポートとなりますので、安心して利用することができます。

さらに、自己分析やキャリア設計などの本質的なキャリア支援を行うキャリアコーチングサービスがおすすめです。専属のキャリアコーチとの対話を通してキャリアに関する悩みであれば、フラットに対応してくれます。自分自身を見つめ直し、新たな潜在能力を引き出すサポートをしてくれます。

キャリアコーチとの相性が重要ですが、初回無料のコーチングを利用して、コーチとの相性やコーチングの内容、料金体系などを確認すると良いでしょう。

まとめ

30代の転職は無理、とあきらめてはいないでしょうか。確かに20代に比べたら、即戦力を期待され、採用基準のハードルが高いのも事実です。

しかし、30代の未経験を募集している業種・職種も多く、実際に転職者の約半数が異業種に転職しているというデータもあります。30代の未経験はポータブルスキルが求められますが、自分の能力を十分に発揮さえすれば、転職を成功に導くことは困難なことではありません。

ただし、あくまで仕事をしながらの転職活動になりますので、効果的に進めていく必要があります。そのひとつの方法がキャリアコーチングサービスです。プロの専属コーチのサポートを受けて、後悔のない転職活動を進めてください。

今回は30歳からの転職が難しいと躊躇している人に向けて、転職成功のためのポイントをくわしく解説しました。これらのポイントを十分に理解し、これからのライフプランを見直しながら、転職活動を成功させてください。

当記事の監修者
当記事の監修者

宗像 祐 (むなかた ゆう)

大学卒業後、不動産営業、IT営業を経験した後に株式会社エス・エム・エスに入社。キャリアアドバイザー、法人営業、マネジメントなど一通りの業務を経験し、その後キャリア女性特化型エージェント、大手医療グループの人事、スタートアップ企業のCOO等を経て株式会社ルメスを設立。10年以上の人材業界経験を通して、約3,000名のキャリア相談や採用に携わる。国家資格キャリアコンサルタント。

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