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なぜHSPの方は転職や短期離職を繰り返してしまうのか?その原因と対処法を解説

2023/05/18

仕事を探すときや転職活動をするとき、自分の特性を知ることは非常に大切です。なぜなら、自分の苦手な作業が多かったり、自分が苦手な環境で働くことが多かったりすると、良い面が表に出にくいからです。ここでは、HSPの方の転職のポイントをご紹介します。

HSPの方は転職できない?相性の良い仕事と悪い仕事

最近よく耳にすることが多くなってきたHSPですが、その特性から、本来十分な能力を持っているのにも関わらず、短期離職を繰り返してしまう方も少なくないようです。例えば、音に敏感であるため集中するのが難しかったり、コミュニケーションが得意でなかったり、疲れやすかったりするため、多くの方に接する仕事が続けられなかったりします。そのため、HSPの方が楽しく仕事を続けたり、自分に合った転職をするためには、自分に相性が良い仕事を見つけることがポイントであると言えます。ここさえ間違えなければ、転職を成功させられることでしょう。

HSPの方と相性の良い仕事一覧

人一倍繊細で、音や視覚、匂いに敏感であるHSPの方は、そういった心配がない職業や会社を選ぶのがおすすめです。また、HSPの方の強みでもあるのですが、とことん追及して結果を出したり、他者の気持ちに寄り添うことができたりするため、その能力が活かせる分野の仕事も合っていると言えるでしょう。また、隅々まで気配りができるのも魅力です。細部までこだわることが求められたり、そこが評価されたりするような仕事に転職するのも良いでしょう。正確さが求められたり、精密性がポイントとなるような仕事もおすすめです。せっかく転職するなら、自分と相性が良い仕事ができるところを積極的に探してください。

HSPの方と相性の悪い仕事一覧

敏感で、他者の気持ちに寄り添えたり、共感する能力が高いといった特徴があるHSPの方にとって、避けたい職業もあります。例えば、不特定多数の方と接するような仕事や、コミュニケーションを重視するような仕事です。HSPの方は、コミュニケーションが苦手であったり、苦手ではないけれど非常に疲れやすい方も少なくありません。そのため、こういった職業に就いてしまうと疲労で長続きしない場合もあります。

また、いつもマルチタスクで進める職業や、臨機応変に対応することが必要な仕事、スピードを重視するような仕事もあまり向いているとは言えません。営業職やサービス業も避けたほうが良いかもしれません。ほかにも、職業だけでなく、職場環境にも注目する必要があります。スタッフの間で距離が近く、一緒にいる時間が多いような職場や、休みなくいつも仕事のことを考えなければならないような仕事もあまりおすすめできません。

HSPの方は何の仕事をしてる?おすすめの職種5選

今現在資格や経験がある方は、前向きに検討してみたい職種があります。また、資格も経験もないけれど興味があるという方は、思い切ってもう一度勉強して資格取得を目指してみるのも良いでしょう。HSPの方は、良くも悪くも完璧主義の方が少なくありません。この特徴をプラスに捉えて、それを活かすことができる職種を選べば、ストレスなく続けられることでしょう。また共感能力が高く、思いやりがある方も多いので、その特徴を活かして人に喜ばれる仕事を選んでみるのもおすすめです。

ITエンジニア

PCをはじめ、IT関係が好きな方や興味がある方は、その分野で働くことを検討してみるのも良いでしょう。HSPの方は、恵まれた環境にいることができれば、集中力が高くきちんとした仕事ができるため、ITエンジニアも向いています。プログラマーやシステムエンジニアなどもおすすめです。また、こういった職業の多くは、一人で集中して働けるため、コミュニケーションの煩わしさがあまり感じられないといった良さもあります。

介護士や看護師

人の痛みに敏感で、感が鋭いといった特徴があるため、相手が今何を求めているのか気付きやすい傾向があります。そういった特徴を活かせるのが、介護士や看護師など医療の仕事です。HSPの方はもともとコミュニケーションがあまり得意ではない方も多いのですが、こういった人の辛さや悩みに寄り添う能力は高いため、きっと感謝されるような仕事ができることでしょう。

警備員や清掃員

極力人と関わりたくない、コミュニケーションをとらずに働きたいと考えている方も多いと思います。警備員や清掃員は、そういった考えに合っている仕事だと言えるでしょう。また、きちんと仕事をしたいという希望を叶えやすい仕事でもあると言えます。気が利く方が多いので、どうしたらよりきれいに掃除ができるのか気付くこともできるでしょう。ただし、HSPの方の中には掃除が苦手な方もいるため、自分の特性を知って判断することも必要です。

デザイナーやイラストレーター

HSPの方は感受性が豊かな方が少なくありません。また、クリエイティブなことに興味がある方も多いため、デザイナーや動画編集、イラストレーター、ゲームクリエーターなどもおすすめです。これらの仕事は一人で集中してできるため、人とあまり関わらずに働きたい方にも向いていると言えるでしょう。

自営業

HSPの方が転職を成功させるポイントの一つとして、働き方を吟味することが挙げられます。自分にあった働き方ができれば、ストレスを軽減できて仕事に集中できるほか、十分に能力を発揮しやすいからです。そのため、一人で自分のペースで仕事ができる自営業もおすすめだと言えるでしょう。職種というより働き方を重視したい方は、選択肢のなかに自営業やフリーランスを入れて検討することをおすすめします。必要以上のコミュニケーションが不要であるほか、自分のペースで働けるといったメリットもあります。

ハンドメイド作家や、ブロガー、ウェブライターなども良いでしょう。ほかにも個人で働ける仕事がたくさんありますので、転職を考えている方は自営業やフリーランスを視野に入れて考えてみてはいかがでしょうか。

HSPの方が転職するためのコツ3選

なかなか他者に理解されにくい特徴を持つHSPの方は、これまで努力に比例しない結果に歯がゆく思ったことも少なくなかったでしょう。しかし、それは必ずしも能力がなかったわけではありません。転職する際のコツがありますので、それを理解したうえで自分に合った仕事や働き方を探してみるのがポイントです。

自分の強みを把握しておく

まずは、自分が得意なことや好きなこと、ストレスを感じにくいことなどを明確にしてみましょう。ここはサクサクできるといったことを把握して、職探しをすることがポイントです。反対に、苦手なことや不安になりやすい作業や環境があるなら、それについても把握しておき、回避できる仕事や環境を選ぶと良いでしょう。

休暇の取りやすい職種がおすすめ

HSPの方は、人一倍、人に気を使う傾向があります。また、完璧主義な方も多く、どうしても疲れやすくなります。そのため、休みが多い会社や休暇が取りやすいところを選ぶこともポイントになります。ゆっくりと心と体を休ませられる環境であれば、仕事も安心して続けられることでしょう。

周囲に相談する

自分のことは、なかなか分かりにくいものです。むしろ、身近な人のほうが分かっている場合も少なくありません。信頼できる人に相談しながら職探しするのも良い方法です。どういった作業が好きで、避けたい作業は何なのか伝えながら、自分に合っている会社に転職しましょう。身近に同じタイプの方がいるなら、仕事のコツや会社選びのポイントを教えてもらうのもおすすめです。

転職する前にキャリアコーチに相談しよう

せっかく転職するならできるだけ長く働きたいと思う方が多いと思います。とはいえ、自分を客観視できなかったり、何が問題なのか分からないまま転職したりしても、また同じような問題に遭遇するかもしれません。おすすめは、転職活動を始める前にキャリアコーチに相談する方法です。自分でも気づいていないことを発見できたり、よいアドバイスをもらえたりするのでぜひ検討してみてください。

まとめ

HSPの方が転職する場合は、自分の強みを把握したり、苦手分野を明確にしたりしたうえで探すのがコツです。共感能力を活かして介護や看護の仕事をするのもおすすめなほか、正確さが求められるIT関連の仕事なども向いています。反対に、スピードを求められたり、不特定多数の方と接することが予想されたりする仕事は、あまり向いていないかもしれません。

当記事の監修者
当記事の監修者

宗像 祐 (むなかた ゆう)

大学卒業後、不動産営業、IT営業を経験した後に株式会社エス・エム・エスに入社。キャリアアドバイザー、法人営業、マネジメントなど一通りの業務を経験し、その後キャリア女性特化型エージェント、大手医療グループの人事、スタートアップ企業のCOO等を経て株式会社ルメスを設立。10年以上の人材業界経験を通して、約3,000名のキャリア相談や採用に携わる。国家資格キャリアコンサルタント。

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